『300m歩くのが精一杯だった50代男性の坐骨神経痛のお客様への施術』

ホームページをリニューアルしたので、せっかくなので実際の症例報告などもアップしていこうと思います。

治療に決して魔法はない為、上手くいった症例だけでなく、上手くいかなかった症例もしっかり載せていこうと思います。

※今回は上手くいった症例になります。

どのようにアプローチしたかなどの方法論よりも、『どのように考えていって治療を進めているのか』が見ている方に少しでも伝われば嬉しいです。

さてさて、実際の施術のお話に移ります。

元々通院して下さっているお客様のご紹介で、

『50代男性、デスクワークのお仕事をされていて痛みにより300m歩くのが精一杯だった坐骨神経痛のお客様』

が来院されました。

初回は1月後半。

カウンセリングを行い、今までの症状や経過を伺っていると、

  • 『色々な病院や整体、鍼治療なども行ったが改善しなかった』
  • 『300m歩くと足が痛くてたまらない』
  • 『病院の診断は坐骨神経痛だが、薬と湿布しか出ない』
  • 『もう治らないものなのか、光が見えない』
  • 『レントゲンでは問題無し』

などなどお話してくださいました。

ここでまず僕の頭の中にパッと浮かぶのが、

『多分かなり深くでお尻の奥の坐骨神経付近が癒着しているかもしれない』※下図参照

という事。

何故そう考えたのか?


①『100%信じている訳ではないですが、レントゲンで問題無いと判断されたのなら、大きな骨性の問題はないかも。もし椎間板ヘルニアでここまで痺れが出るならおそらく骨と骨の間がかなり狭くなって椎間板の水分がかなり抜けているはずなので、レントゲンでもある程度わかるはず。(※本当は診断はMRIが一番)』

②『坐骨神経痛で、もし筋肉が硬いだけが原因なら、歩いていくうちに組織の温度があたたまって動きがスムーズになってきて逆に症状は軽くなるケースも多い。でもこの方は歩くほど悪化している。』

③『筋肉の硬さによって神経が圧迫されているなら整体や鍼治療でも十分緩んでいるだろう』

④『長年デスクワークで1日何時間も椅子に座っている為、ずっとお尻が圧迫されているので癒着してくるだろう』


などなど、まずカウンセリングの時点で上記のように予想しました。

続いて実際に手で触っていきます。

股関節の硬さや筋肉の質などをチェックし、どの角度やどの捻りを入れると同じ痛みが再現出来るのかなどを入念にチェックします。

※特にここで重要になるのが、痛みを再現できる部位や動きを見つける事。

例えば、ベッドに仰向けで寝ていて、僕がお客様の足を持って上げていって痛いとなったとしたら、

次に足を少し外側に捻ってまた上げてみる。

これで痛みが減るか増えるか。

そして次に内側に捻って足を上げてみる。

これで痛みが減るか増えるか。

こうしてどの角度、どの方向で動かすと痛みが出るか探っていき、その方向次第でそれぞれ関係してくる筋肉や骨や神経を見つけることが出来ます。

そしてさらに、ある程度答えの予測が絞れてきたら、指でこの辺りだろうというポイントを圧迫してみます。

そうする事により、わざと神経を圧迫するので、お客様が300m歩いていなくても同じ痛みを出現させる事が出来ます。

そのポイントさえ見つかればあとはそこを徹底してアプローチしていくのみ。

ホームページ内の解説動画にもあるように、ラジオ波を使用して温めてコラーゲンの温度を上昇させ、組織が柔らかくなっている間に手でリリースする。

リリースしているうちに、手が『ガツっ』と硬さに当たって止まる場所があり、そのさらに強い硬さが癒着の最深部になるので、そこを衝撃波を使って砕いていく。

何回も何回もその繰り返しで、組織の温度が冷えたらまた温めて組織を緩め、手でリリースして、ぶつかるところに衝撃波を入れる。

この繰り返しを行う事で少しずつ少しずつ最深部の根っこの部分を綺麗にしていき、神経が圧迫されている部分を開放していきます。

約60分から75分ぐらいで初回のセッションが終わり、アフターカウンセリングとして自宅で行うべきエクササイズやストレッチなどをご紹介してLINEでその動画を送り、次回予約を約2週間後に設定して初回は終了しました。

今回はお帰りになられる時点ですでにある程度の変化は出ておりましたが、2週間隔を空ける意味としては、

次回までの2週間の間に今まで詰まっていた神経や血管が開放され筋肉に血液や酸素がしっかり行き渡るようになり、そうして組織が健康な状態に復活する。

その期間がだいたい2週は必要なので2週間後に設定しました。

そして2週間後、元々300mが限界だったお客様が、3キロ問題なく歩けるようになったととても嬉しそうな表情でお越しになって下さいました。

3キロを5キロに。歩行からジョギングへ。

どんどんやれる事を増やしていきましょう。どんどんチャレンジしましょう。とお伝えしました。

そのチャレンジの都度、新たな通過点としての問題はある程度出てくるものなので、そこに対してまた考えてアプローチして問題を消していく。とにかくトライ&エラー。

とっても地味ですが、毎日がその繰り返しです。

そのお客様は最近4回目の施術を行いましたが、5キロ問題なく歩けるようになっているので、そろそろまた次のステップです。

長くなってしまいましたが、初回の症例報告なので気合が入りすぎてしまいました。笑

また投稿していこうと思いますので、お時間ある方は是非ご覧ください!

Resty代表

松野伸哉