『アメリカ人体解剖実習』
こんにちは。Resty代表の松野です。
さて、2年前の今日。僕は成田空港からアメリカ行きの飛行機に乗っている頃だと思います。
アメリカ合衆国コロラド州ボルダーにて1年に1度行われる人体解剖実習。
決して大袈裟ではなく、人生が変わった一週間でした。
教科書とは全く違う人体の神秘を目の当たりにし、毎日が新しい驚きと発見の連続。
帰国後から脳内のイメージが全く変わり、施術をする際身体に触れた瞬間から、手の感覚と頭の中のイメージがシンクロして、皮膚、脂肪、筋膜、筋肉、など全てを3Dでイメージしながら触る事が出来るようになりました。
良くそう質問されることがあります。
毎年キネティコスという日本の団体がこの解剖研修をプロデュースしてくださっているのですが、他の解剖実習と違うこの解剖研修の大きな要素を2つ挙げるとしたら、
①液体保存されているご献体ではなく、瞬間冷凍で保存されているご献体を解凍して解剖する為、ほぼ生のリアルな状態の人体の中を知ることができる。
②【アナトミートレイン】の著者である、トーマスマイヤース氏が直接講師を行なってくれる
この大きな2つの要素が大きいと思います。
僕自身解剖実習は日本で何度か行なったことがありますが、それとは全く違うリアルな経験となりました。
人体はまさに神秘的で、複雑かつ繊細にプログラムされた不思議としか言いようのない美しい構造体でした。
人それぞれ脂肪組織の形や色、質感も違い、中には左右で脂肪の色や形が違う方も。
そして僕が何度もこのコラムで挙げている【癒着】。僕が想像していたよりも遥かに強靭で強く組織同士がくっついており、
僕がそのご献体の癒着に対して手技によるリリースを何度も試しましたが、ほぼそれらが剥がれる事はありませんでした。
様々なメディアや本などで、こぞって紹介している【筋膜リリース】ですが、そんな簡単に人体の構造を変える事はできません。
もしそんな簡単に構造を動かしていたり、筋膜を剥がれていたとしたら、簡単に人間は大怪我をするでしょう。
その為、施術メニューの解説動画にもあるように、僕は【ラジオ波】や【体外衝撃波】を用いて施術を行います。
これは機械の力に頼るという事ではなく、【物理的に必】なものだから使用しています。
人体を知り、現在は自分が今まで過信していた手技も、武器の中の引き出しの一つとなり、必要なら使う。
その時その時の状況によってアプローチの引き出しを使い分けて、今この瞬間のベストというものを選択できるように見極めれるように常に頭をフル回転して考えています。(なので毎日脳疲労です笑)
先ほどもお伝えしたように、帰国後から脳内のイメージが全く変わり、施術をする際身体に触れた瞬間から、手の感覚と頭の中のイメージがシンクロして、皮膚、脂肪、筋膜、筋肉、など全てを3Dでイメージしながら触る事が出来るようになりました。
これは本当に大きなお土産でした。
半月板ってメスでどのぐらいの圧で切れるのか、前十字靭帯はどのぐらいで切れるのかなど、各組織の強さや質感など全てに触れることができました。
また、それ以外にも意外な変化も。
『あの人アメリカまで行って人を切ってきた人だよ』と、とんでもない紹介のされ方をされる事がとっても増えました。笑
ただ、これは本当に大きな変化で、今まで教科書上の話をしていたものが、自分で実際に目で見て手で触れたリアルな感覚をお伝えすることがこんなにも人に喜ばれるのか。という事を痛感しました。
自分の放つ言葉一つ一つの重みも変わり、実際の人体を知ったからこそ、さらに治療の難しさもわかるようになりました。
さて、また長くなってしまったのでこのへんで終わりたいと思います。
お付き合いありがとうございました。
Resty代表 松野伸哉