『20代女性 産後の腰痛への施術』
こんにちは。Resty代表の松野です。
さて、今回は症例報告をさせて頂きます。
今回の症状は非常に多いと感じる症状になりますので、当てはまる方も多いのではないかと思います。
今回のお客様は、20代女性で産後半年、産後から特に腰痛がひどくなり寝ているだけでも腰が痛くて睡眠の質もかなり悪化しているとの事。
このお客様の症状に対しての施術について記載していきたいと思います。
と、その前に、良く産後の骨盤矯正や産後の体型が戻らないなどのお声を良く聞くのですが、これに関しては記載するとかなーーり長くなってしまうため、今回はあくまでも『痛み』にフォーカスしてお話しさせて頂きたいと思います。ご了承下さい。
男性には中々理解しにくいものですが、出産際に女性の骨盤はシンプルに『大怪我』をしています。
約3000グラムの赤ちゃんがどうして骨盤から出てこられるのか。
そこには、まずとあるホルモンが関係しています。
女性は出産時に『リラキシン』というホルモンが大量に分泌されます。
そのホルモンが分泌される事で骨盤の骨と骨を支えている靭帯と呼ばれるものが緩み、骨盤の骨と骨の間を緩めます。
そのホルモンの緩めるシステムにより、出産が可能となるという訳です。(すみません。かなりざっくりです)
しかし、いくらホルモンが分泌されて骨盤が緩まると言え、それでもやはり微々たるものです。
ではどうするかというと、骨盤を支えている靭帯や筋肉を肉離れや損傷を起こして出産します。まさに命懸けです。
想像すると怖いですよね…
(女性って本当凄い。。。男性はもっと理解してあげて下さい。)
さて、ここから少し構造的な問題をお話しします。
足首の捻挫と同じで、骨盤の重度の靭帯損傷や捻挫を起こしたり、肉離れを起こして出産する為、そこには内出血というものが必ず起こります。
その際に出来た内出血が骨盤の靭帯や筋肉の上に『カサブタ』としてべったりくっついています。(※写真参照)
僕の個人的経験から言えば、特に右の骨盤のダメージが大きいと考えています。
(これは人体は左右非対称という考えから右の重心の方が圧倒的に多い為)
そのカサブタがある限り、ノリや接着剤のようにべったりとくっついてしまい骨盤や股関節の可動性は低下してしまいます。
また、神経もそのカサブタにより圧迫されているケースも多々あります。
(今回はそのケースだったような気もします)
その接着剤のせいで、トレーニングしようとしても思うように体がそもそも動かせないわけです。
なので、まずはどんなマッサージをするよりも、トレーニングをするよりも、とにかく歯石を取るような感覚で『骨盤のカサブタ』のクリーニングを行います。
そこを行わない限り、何も始まらないと思っています。
そこでアプローチのメインになるのはやはりラジオ波と体外衝撃波。
体内のカサブタを手で落とすなんてまず物理的に不可能です。
その為、ラジオ波で温めてカサブタのコラーゲンを緩めます。
その後体外衝撃波でカサブタを根本的に散らしていきます。
(順番は逆にすることもあります)
といったようにアプローチをして、最後に仕上げとして手技でアプローチします。
産後の骨盤の初期治療は上記のような流れでアプローチする事が多いです。
今回のお客様に対しても約90分ほど骨盤周辺のみを徹底的にクリーニングを行い、ほぼそれのみで終了です。
まずは1番問題となっている部位の根本部分を徹底してお掃除してカサブタを剥がしていきます。
治療後は立った瞬間から、あれ?痛くない!という状態に導く事ができ、ストレッチ指導などを行い初回セッション終了です。
2週間後も再発する事なく継続して良い状態を維持出来ておりました。
そこからようやく腹圧を戻すエクササイズや他の部位の治療がスタートです。
あれこれ色々やりたくなるのは治療家の性ですが、まず最初に解決すべきは構造的問題。
これをある程度クリアにしない限り先には進めません。
ちなみに、産後の何年経ってもこのカサブタは残っておりますので、出産後からイマイチ調子が優れない方は是非一度ご相談ください。
Resty代表 松野伸哉